blue in white




【his side】


青い。久しぶりにこんな青を見た。雲ひとつない青い空。
どこまでもどこまでも青一面。
この空の向こうに、あの人がいるのだ。
もう二度と逢えないけれど、この空の下で同じ空気を吸っているのだ。


そう思うとすごく不思議だ。
目には見えないのに、どこかでつながっているのだと。


あの人は私を思い出すことがあるのだろうか、時々は。今の私のように。
もし、そうでも、たしなめたことばかり記憶にあるに違いない。


あの人の記憶の中にいる私は、今の私より幸せな笑顔をしているのだろうか?


冒険した記憶は、青い空に溶け込む青い海。
あの人の声が聞こえた。
「すごいと思わない?どこまで行っても海が終わらないのって!」
振り返ったその人の髪の色が、真夏の太陽を受けて金色に見えた。

あなたがまぶしかった。

今日のこの空の色は、優しい記憶を呼び起こす。
あなたは笑うだろうけど。


ありがとう。
こんな記憶をもてたことが幸せです。



ほんとうですよ。





【her side】


白い。太陽の光が強くて、金色を通り越して真っ白に見える。
どこまでもどこまでも白く。
この輝く太陽の下に、あなたがいる。
もう二度と逢えないけれど、この空の下で同じ空気を吸っているの。


そう考えるとおかしい。
目には見えないけれど、どこかでつながっているのね。


あなたにとって、私はうるさい妹みたいな存在だったかもしれないけど。
時々は思い出してくれるのかな。
そんなとき、私の格闘シーンだけが思い浮かんでくるんだろうなあ。


あなたの記憶の中の私は、今の私より元気いっぱいな少女のはず。


冒険の記憶は、光を受けて輝く透き通る海。
デッキで風に吹かれて。
「潮風はあちらの方角から吹いてくるときに…」
こんなときまで科学の講義。真面目に話す、あなたの緑の帽子が透き通る海に見えた。

あなたがまぶしかった。

今日の太陽は、優しい記憶を呼び起こす。
あなたは笑うだろうけど。



ごめんなさい。
今の記憶を共有できなくて。


ね、ドレスが白く輝いてるの。
見えないだろうけどね。





ドレスの白の中にブルーをひとつ入れると幸せになるそうです。
ガーターベルトなんかをブルーにするのですね。



***********おまけ(言い訳)*************

このページ、HTML文書宣言に違反しているページです(苦笑)。
ネットスケープナビゲータでご覧の皆様、ごめんなさい。





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