それぞれのデート




・魚住とアンジェラの場合

(最初はフィンランド語で)
「あなた、どうして、今日遅れてしまったの!今日が何の日か知っているんでしょう!」
「も、もちろんだよ、アンジェラ」
「じゃあ、理由を言ってよ!」
「お前のために!俺はお前のために!」
  (ここから日本語)
「私のためにって…?」
「僕は、ほら、これ頼んでたんだよ、お店の人が出すのに手間取っちゃったんで…。開けてみてよ」
「うわあ、きれい!素敵なリングね」
「1ヶ月前から頼んでたんだよ、君の誕生日に間に合うように」
「ごめんなさい、私、話も聞かないで怒っちゃって…」
「ううん、いいんだよ、アンジェラ」
「あなた、ありがとv」
「んもう、いいってぇv アンジェラ、とっても似合うよ」
「あなたの見立てがいいからよv」
「そう?君が気に入ってくれて、僕はうれしいよv 誕生日おめでとう、アンジェラ chu!」

・和久とばあさん、もとい、奥さんの場合

「ばあさんよぉ、剪定ばさみ知らねえか」
「右に置いているのは何ですか」
「おっと、こりゃ、俺もボケ始めたか」
「お茶、入りましたよ」
「おう、すぐ行く」
「いい松ですねえ」
「ばあさんにもわかるのかい」
「ええ、見事な枝っぷりですよ、あの左端の松」
「ばあさん、ありゃ、つつじだ」



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