できることは 〜What can I do?〜





アリーナたちが勇者一行に加わって3日目の夜。
宿屋まではどうにも遠く、ソフィアは野宿を決めた。


「今夜はここで野宿でいいでしょ?」
これにブライが猛反発した。
「仮にも一国の姫君を野宿させるとは!ソフィア殿、わしはルーラくらい使えますぞ!」
「え…。でも、またここまで来るのが大変でしょう…。だけど、やっぱりお姫様には無理ですよね…」
「私だったら平気よ〜」
アリーナの声だ。
「何をおっしゃいます!姫はサントハイム王家の――」
「たまにはいいじゃない。私、一度、野宿ってしてみたかったのよ、ずっと前から!とっても楽しみ!」
ブライがぶつぶつ言い出す前に、アリーナは先手を打った。
結局アリーナのこの一言で、野宿決定となった。



「じゃあ、男性陣に薪を拾ってきてもらうわね。その間私たちは、食事の用意してます。あ、ブライさんは馬車で休んでらしても…」
「ソフィア殿!老いたとはいえ、このブライ、その辺の老人とは違いますぞ!」
そう言うとさっさと歩き出したブライを見て、みんなが笑った。

ただクリフトはアリーナに心配そうな目を向けた。







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