クリフトはもうひとつ質問した。


「それで…むかむかの原因はわかったんですか?」
「あ…うん…あのね。ほかの人には内緒よ」
アリーナは少し頬にピンクが差した。


「怒らないでほしいんだけど」
「はい」
「おとといね……クリフト、ものすごくロザリーさんに優しかったよね……。すごく同情してて……」
「はい?」


たしかに初めてロザリーを見て、ピサロを失ってでも世界を平和にしてほしいという彼女に胸をつかれたのだが。


「なんだか、なんだか、その後から胸が苦しくなっちゃって。次の日はすっかり気分悪くなっちゃったの」
「……姫様」
「怒るよね…?私、私もね、ロザリーさんかわいそうと思ったのよ。でも……。なんだかこんな私、自分でもすごくいやなんだけど。怒るよね?」
「…………」
「自分でも、最低な人間って思っちゃって、ますます気分悪くなって。でも今日はもう大丈夫。一日休んで、もやもやしてたのもなくなったわ。みっともないこと考えてごめんね」
「…………」
「やっぱり最低ね、私。怒ってるよね…」
「とんでもないです、姫様。私は……」
「クリフト?どうしたの?泣いてるの?」
「い、いえいえ、なんでもないです」
「?」







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