むかむか



「さあ今日も戦闘頑張るぞぉー!ロザリーさんのためにも!」
ロザリーヒルで数泊した勇者一行は、戦闘に向けて気合いを入れている。

だがアリーナはいつもの元気がなかった。
最初に気づいたのは、当然クリフトである。
「姫様、顔色がよくないようですが……」
「うん……少し気分が悪くて……」
「ソロさん、今日は姫様を馬車にお願いします」
クリフトが頼んだ。ソロはアリーナを見る。
「うん?あ、なんか顔青いね、アリーナ」
「ごめんね、ソロ。なんだかむかむかするの」
「アリーナが元気ないのは珍しいな。まあ今日は休んでて。ミネアさん、今日はアリーナを見ててもらえますか」
「はい。じゃアリーナさん、馬車で休んでましょうね」
ミネアはアリーナをかばいながら、馬車のほうに歩き出した。


マーニャがアリーナとミネアのほうに駆けていき、小声で囁いた。
「ねえ、アリーナ。何でむかむかするの?」
「えー、そんなことわからない……」
「最近遅れ気味じゃないのぉ?」
マーニャがいたずらっぽく笑う。からかっているのだ。
ミネアがたしなめる。
「姉さん!」
しかしアリーナの返答に二人とも声を失った。


「…えー?よくわかるわね、マーニャ」


青くなったマーニャとミネアだった。
「ちょ、ちょっと。それって」
「ごめんね、マーニャ。ほんとに今日はむかむかするの。しゃべりたくない……」
ミネアはマーニャを見た。
マーニャはしばらくアリーナを見ていたが、すぐソロたちのところに戻った。







ちょっとくだけてますか。ま、たまには。



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