それから長い間――。


クリフトは泣いた。
孤独と幸福と恐怖と静寂とが混ざり合った感覚に泣くことしかできなかった。



言えなかった。

私はあなたとの約束を守ることはきっとできないのだ。


あなたが私を信じているから。
私も約束は叶えられると信じていたかったから。




でも―――。

どうせ―――。



あの約束をしてしまった時点で
私は神を裏切っているのだから
私は神の元にはいけないのだから

それなら

何だってする
あの人のところに行くまで

神の道に背いてまでも私は



そんなことを。
普段のクリフトなら考えるのも恐ろしいことを。
生まれて初めて彼は思った。






そして再び長い時間のあと。
彼は懺悔を繰り返した。






姫様、私はまだ未熟者です。だから姫様の思い出と生きることをお許しください。
そして神よ、この愚かな私でもお救い下さるなら
神の元に、あなたの元にある姫様を思うことをお許しください。



クリフトが神に召されるまで、途絶えることのない祈り。








BACK  小説入り口  MENU