その夜。ポップは両親の前であることを言ってしまい、ジャンクにしこたま殴られる結果となった。

「あのさ、話があるんだけど」
ジャンクは武器を磨いていたので、ポップのほうを見ずに、返事した。
「話?」
「おれ、アバン先生と一緒に旅しちゃいけねえかな」
「なんだと?」
ジャンクは手を止めて、今度はしっかりポップのほうを向いた。
ポップは真剣な表情だ。

「アバン先生、もうすぐこの村出ちまうんだ。おれ、もっともっと魔法の勉強してえんだよ。でもここにいたら、できねえだろ?だからしばらくの間アバン先生と、あちこち回りてえんだけどさ。ダメかな?」

この会話を聞いていたスティーヌは、あまりのことに驚き、口もきけない。
突然ジャンクの拳がポップの頬に飛んできた。

「何を考えてるんだ、おまえは!魔法の勉強だあ?武器屋なら武器の勉強をしてろ!第一魔法なんか勉強して何か役立つことでもあんのか!そんなこと言ってるくれえだったら、少しは店の手伝いでもしたらどうだ!」
さらに殴りかかられて、ポップは身動きできなくなる。
スティーヌが止めに入った。

「あなた、もうやめて。ポップも結構真剣だったのよ。でもポップ、あなたはここでやらなくてはいけないことがあるの。魔法の勉強は、もうこれでおしまいね」

ポップは頬を腫らしたまま、黙ってしまった。







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