結局今日は、前線にソロ、ライアン、クリフト、ブライが決定した。
馬車でトルネコは一眠りしている。
アリーナもぐったりとして休んでいる。
馬車の中、マーニャはミネアに囁いた。
「クリフトは関係なかったよ」
「そうだと思ったわ、全然そんなこととは無関係のような人だもの」
「あんた、クリフトをよく見すぎてるよ。男なんだからね、クリフトも」
「まあ、それはそうだけど…。ところでクリフトさん、ショックだったでしょうね…」
「全然」
「え?」
「『マーニャさん。姫様は具合が悪くていらっしゃるのですよ。今日一日お休みになれば、きっと治られます。変な気をまわしすぎですよ』だって」
「アリーナさんを信じてらっしゃるのね」
「Love is blind ってやつよ」
「だけどどうして?アリーナさんは…」
「うーん?」
アリーナは二人の心配をよそに、眠りこけている。



その夜、アリーナは早々に休んだ。
マーニャとミネアは、ブライに言ったほうがいいのか悩んでいる。

クリフトでなければ、勇者だ。それしか考えられない。
ずっとみんな一緒に旅していたから、アリーナだけどこかで抜けることは考えられない。


「ソロったら…後々面倒になるよぉ」
「姉さん、まだソロさんが、やっ…そ、その、ソロさんだと決まったわけではないでしょう」
「じゃあ、誰よー。ライアン?トルネコ?ブライ?んなわけないでしょう」
「そうよね…。ソロさん、フケツです…」
「また始まった。男なんだから仕方ないわよ」
「何で仕方ないのよ」
「しっかしねえ、ソロもあんなコドモがいいのかなあ。目の前にこの妖艶なマーニャ様がいるというのに」
「姉さんだったら、もっと後々面倒に決まってるわ」
「何ですってぇ?」
「とにかく、どうするの?ブライさんに話すの?」
「うーん、それは、ちょっとねえ…。ブライが大ショック受けて、倒れでもしたら大変だし。アリーナもソロも困ったことしてくれたわよねえ。どうしようか…」


しかし、あと一日黙っていようと決めた。言えないのである。







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