「か、帰りましょう!ソロさん!」 「うーん。ちょっとびっくりの部屋だなあ」 「あら、坊やたち、ひとりずつよ」 ぱふぱふ娘のいきなりの言葉にあせる二人。 「い、いえいえ、わ、私たちは…」 「うふ。二人ともかわいいわねえ」 ソロは慌てて踵を返した。 「……クリフト、帰ろう。って、なにお前引きつってるの?」 理由はすぐにわかった。階段に一人の少女。アリーナが立っていた。 「なーんだ、クリフト、ここだったの」 「ひ、姫様。ど、どうしてここに」 「ステージがね、終わっちゃったの。下にいなかったからひょっとして2階かなあ、と思って。ソロと一緒だったのね」 「ひ、姫様。その…誤解なさらないでくださいよ」 「誤解って何の?」 「あ、いえ、その…ソロさん、何か言ってくださいよ」 「……別に何もないからいいじゃん」 どうもソロはこの状況を楽しんでいるらしい。クリフトは恨みがましい目になった。 「うーん。この部屋はいったい何をする部屋かしら?」 アリーナの素朴な疑問。クリフトは答えに窮する。ソロはくっくっと笑っている。 「ぱふぱふの部屋よ」 振り返るとマーニャがいた。 「ぱふぱふ?それ何?」 「マ、マーニャさん!変なことおっしゃらないでください!」 「別に変なことじゃないわ。ほんとのことだもの」 「ぱふぱふって何なの?」 「それはね…」 「マーニャさん!」 「はいはい、アリーナ、もう少しすればわかるわよ」 そう言ってクリフトにウインクする。クリフトは何の意味だかわからない。 マーニャは面白いことをしたという表情で降りていった。 「とにかく帰りましょう。姫様。ソロさんも」 |