しばらくソロは黙っていたが、やがて口を開いた。
「自分たち人間が犯した罪は自分たちで償わなくちゃいけない…。
ロザリーさんは、人間に殺されたんだ。自分たちに殺されたも同然なんだ。
だからこの花を捧げる。ピサロとは関係ない」

全員同じ気持ちだった。だが、心のどこかに引っかかる痛みもまた同じだった。
「よし!行こう!!」
ソロはルーラを唱えた。



ロザリーヒル。
ホビットや動物達にさんざん罵詈雑言をたたかれながら、ソロたちは世界樹の花をロザリーの墓前に捧げた。

奇跡は目の前で起きた。一筋の光が空から降りてくる。


ロザリーはよみがえった。
「まあ…あなたたちが世界樹の花を…ありがとうございます。
…こうしてはいられません!私をピサロ様の元へ連れて行ってください!」

彼らはもう一度デスピサロと対峙することになった。
勇者一行は、奇跡の裏にある悲しみを抱えていた。



デスピサロはソロに再び憎しみの刃を向けかけた。
その時ロザリーが立ちはだかった。
「ピサロ様!私です、ロザリーです!思い出してください!私たちが初めて出会った日のことを!」

デスピサロの進化の秘法が、ロザリーのルビーの涙で打ち消されていくのを、ソロたちは見つめていた。







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