少し城から離れて、そしてもう一度、クリフトは振り返って、サントハイム城の白壁を見つめた。 約束だったのだから。 この世では逢えないと 逢わないという約束だったのだから。 姫様はお分かりですよね。 そしてよくお守りになりましたね。 姫様。 私は約束を守れそうにありません。 なぜなら あなたとあの約束をした時点で 神に背いているのに 神に仕える身でありながら してはならない約束をしてしまった私を きっと神はお許しにならない それでも もし もし―― 神に召される日が来るのだったら きっと約束をお守りしますから |