「今日も大変な戦闘でしたね……ソロさん、ベホイミかけておきましょうか?
今日は、スクルトをかけるのが遅くなってすみませんでした。
明日は、今日のような失敗はしませんので」

今日は宿の個室を取れなかったので、クリフトと同室になったのだが、相変わらずの物言いで俺は背中がかゆくなってくる。

「なあ、前から言いたかったんだけどさ…そのしゃべり方、何とかならないか?」
「え?なんか、失礼な口利きをしましたか?気づきませんでした、すみません」
「……そうじゃないよ、丁寧すぎるから、もっと普通に話してくれないかってことだよ。
俺たち、年もあんまり変わらないんだし」
「はあ……しかし、私はこれが普通なんで……」

そう言われては俺には返答ができない。

「そうか…じゃあ、しょうがないな……。
ただ、俺はもう少しクリフトとフランクにしゃべれたらなあって思ってるんだけどな」
「え?今のままで十分フランクじゃないですか
私、今まで年の近い人と話す機会があまりなかったので、この旅はとても楽しいんですよ」


俺は、宮仕えというものはよほど窮屈なのだなと心底思い、将来はまかり間違っても、エンドールやブランカの城仕えはしないぞと決意した。







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